様々な排尿障害を引き起こす前立腺肥大症とは?

前立腺とは男性のみに存在する臓器です。ちょうど栗の実のような大きさと形で重さは15から20gぐらいで膀胱の下にあり、尿道を取り囲んでいます。内側から尿道→内腺→外腺という構造になっています。

 

 

前立腺には前立腺液を分泌して精子の一部を作る働きがあります。また、前立腺液は精子を保護したり栄養を与えたりという役割を果たしていて、生殖活動のために必要不可欠なものです。

 

 

前立腺肥大症とは?

前立腺肥大症とはその名の通り、前立腺が肥大する疾患です。原因についてははっきりと分かっていませんが、年齢が上がるごとに患者数が多く、加齢と男性ホルモンが影響していると考えられています。

 

 

80歳までには80%以上の男性に前立腺肥大症が見られます。ただし、ガンのように悪性のものではないので、全ての前立腺肥大症の方が治療を受ける必要はありません。排尿障害などで支障を来す場合に治療が必要となり、該当するのは1/4程度です。

 

 

段階的な排尿障害

<第1病期(膀胱刺激期)>
夜間のトイレに行く回数が多くなる、尿意を感じたら我慢できない(尿意切迫感)、尿がすぐに出ない、出るのに時間が掛かる、少ししか出ない、勢いがないなどの症状が出ます。

 

 

<第2病期(残尿発生期)>
尿を排出しきれなくなり残ってしまい(残尿)、細菌感染しやすく、結石ができやすくなってしまいます。尿に血が混じる(血尿)こともあり、飲酒や冷えなどが相まって尿が出なくなる(尿閉)こともあります。

 

 

<第3病期(完全尿閉期)>
膀胱の収縮力だけで排尿出来なくなってしまい(自力でおしっこ出来ない)、常に300mlから400mlの尿が膀胱に溜まったままになり、尿失禁を引き起こします。腎臓からの尿の流れも妨げられるので腎機能障害が起きてしまいます。

 

 

前立腺がんになった場合も尿が出にくい、尿の回数が多い、残尿感がある…などといった症状が出ます。排尿に様々な困難を感じたら検査によって前立腺がんでは無いかどうかを確認したほうが良いでしょう。

 

 

前立腺肥大症の治療と予防

日常生活に不便を感じたり、身体に悪影響を及ぼす場合には治療を行っていきます。治療法は様々あり、おおまかには薬物治療と手術療法があります。症状が軽ければ薬物治療をしていきますが、十分な改善が見られない場合は手術療法に切り替えます。

 

 

まだそれほど日常に支障を来していないという人は治療を行わず、経過観察でも大丈夫ですが、生活習慣には気をつけましょう。注意点としては排尿をガマンしない、便秘をしない、身体を冷やさない、適度に運動する、適度に水分を摂る、アルコールは摂り過ぎない、刺激の強い食事は控えるなどです。

 

 

また、急な尿閉を起こす原因となる利尿剤、抗ヒスタミン剤、抗コリン剤、抗うつ剤、などの薬の摂取には十分気をつけるようにしましょう。